2009年11月25日水曜日

2009/11/14(土) 車いす体験学習と旧木下家住宅見学会

*2009/11/14(土) 車いす体験学習と旧木下家住宅見学会


今回は、神戸学院大学総合リハビリテーション学部社会リハビリテーション学科 糟谷佐紀先生のご協力を得、神戸学院大学有瀬キャンパスにおじゃまして、全員が車いすに乗って身体の自由が制限された状態で、屋内・屋外住環境実習室に設置された設備・機器を使いながら、様々な動作を実際に試してみる体験学習を行いました。参加者 UD建築研究会会員 11名 非会員 6名。

 最初に糟谷先生から、自走式車いすの車輪の大きさや取付位置、数によってどのような違いや特徴があるかなどのお話をうかがった後、各人が種類の異なる車イスを次々乗り換えながら、様々な動作を試してみました。いくつかの勾配の異なるスロープの上がり下り、いくつかの高さの異なる段差越え。廊下巾と部屋の出入り口巾の関係を確認したり、キッチンで鍋やフライパンで調理するまねごとをしてみたり、実際のトイレを使ってドアの開け閉めから便器への移乗、段差解消機なども試し、天井走行リフトや電動車イスに乗ったり、車イス介助の方法などもおそわりました。普段なかなか試すことのできないことばかりですが、広いスペースと整った設備と指導者が揃っているからこそできたことであり、また、より便利に、より楽に操作できる機器が次々開発されている情報を得ることもでき、有意義な体験会となりました。



午後は、保存修理工事が完了して公開が始まったばかりの舞子公園の旧木下家住宅を見学しました。又野良助氏が昭和16年建築、18年に増築されたもので、木造平屋一部2階建ての主屋だけでも338㎡あり、物資統制の時代背景の中で、よくこれだけの数寄屋が建てられたものと驚いてしまいます。昭和27年木下家の所有となり、平成12年兵庫県に寄贈されました。南の道路から石段をかなり登ってようやくたどりつくという建物ですが、今回バリアフリー対応工事もされて、敷地の北西からエレベーターを使って車いすも入ってこられるようになりました。



2009年9月20日日曜日

2009/09/02 「加古川支部ユニバーサルデザイン研修会」の報告

*2009/09/02 「加古川支部ユニバーサルデザイン研修会」の報告


  2009年9月2日高砂市総合体育館会議室にて、兵庫県建築士会加古川支部研修委員会と女性委員会ユニバーサルデザイン(以下UD)研究会の合同事業として「建築空間におけるユニバーサルデザイン」というテーマでUD研修会が開催され、講師をUD建築研究会のメンバー三人が担当しました。

■前半 セミナー
 1.建築空間におけるユニバーサルデザイン――公共空間を中心に   
   別資料:「建築空間におけるユニバーサルデザイン」
 2.住み続けることが可能な住宅――基本事項            
 3.住み続けることが可能な住宅――住宅部位別           
   別資料:ユニバーサルデザインの視点から探る
        「住み続けることが可能な住宅」の基本

  UD研がまとめた冊子を活用し、総論的な建築空間におけるUDと住空間におけるUDの必要性をテーマに講義形式で進めました。

■後半 フリートーク

  研修会後半は、セミナー冒頭に記入いただいたアンケート回答をもとに参加者各自のイメージを自由に語ってもらい、よりUDへの理解を深めてもらうことを目標にフリートークの時間を設けました。


2009年7月25日土曜日

2009/07/04 ユニバーサルデザイン建築研究会セミナー(すまいるネット連携セミナー)の報告

*2009/07/04 ユニバーサルデザイン建築研究会セミナー(すまいるネット連携セミナー)の報告

 「誰もが安心して暮らせる社会を目指して」
  ・・・バリアフリー、ユニバーサルデザインなど、社会と意識の変化が目指すもの
                                    ―海外を含めての事例紹介・・・

 講師:大塚毅彦氏 (明石工業高等専門学校 建築学科教授)

  バリアフリーが当たり前の社会になり、更にユニバーサルデザインという言葉もかなり普及して、その実現を目指した活動が様々な分野でなされています。
 現在の置かれている状況や問題点を、クイズ形式にして参加者も一緒に課題について考える事ができました。また、インクルーシブ・デザインの考え方や、国内外のユニバーサルに係わる活動を紹介していただきました。その中で、もし自分が障害者でホテルに泊まったときにトイレなどが使いづらく困った時にどうするか、と言う問いかけに対し、クレームを言うのではなく今後同じような障害の人が困らないように、改善方法を提案する。という答えに心動かされました。これからは、建設的な意見を言えるユーザーを育てる社会となっていくことが大事であると知らされました。
 さらに、これまでのUDからさらに発展し、マイナスをゼロにするだけではなくプラスにするという「UDプラス」の考え方を提示していただきました。2時間以上にわたる長いセミナーでしたが、楽しくてとても勉強になりました。

参加者 会員12名  非会員 8名  計20名


2009年3月15日日曜日

2009/02/28(土) UD検証見学会「フレミラ宝塚」(宝塚市売布東の町12-8)

*2009/02/28(土) UD検証見学会「フレミラ宝塚」(宝塚市売布東の町12-8)



「フレミラ宝塚」は、平成14年に開設された「宝塚市立老人福祉センター」と「宝塚市立大型児童センター」の複合施設です。高齢者と児童・若者が世代を超えて、ふれ合い、みらいを築く交流拠点となっている本施設をUD検証を兼ねて見学させていただきました。

 館長さんから、施設の概要や事業概要の説明を受けた後、各自「UDチェックシート」とカメラを携え、館長さんの案内で館の内外を隈なく見学しました。館内の第一印象は、明るく広々として気持ちが良いこと、プランが明快でわかりやすい、運動室(小体育館)や音楽・ダンス室、美術工芸室など多様な活動に応じて防音仕様や部屋の設えが整えられている、多目的トイレは男女別に設置されている、サインは控え目であるが必要箇所には点字表示がある、階段の勾配は緩やかで上り下りが楽である、さりげなく飾り棚やベンチが設けられている等々…随所にUDの配慮がなされていました。

 とりわけこの施設の良さは、内部空間がオープンで見通しがよく明るくて居心地がよいため、高齢者や児童・若者の利用者が非常に多く、フル回転でいつも賑わっているという点です。UDの視点からも、訪れる人が自然にふれ合い交流を深めることができる空間づくりが実現できている好事例だと思います。建築空間が使う人に与える影響のいかに大きいかを改めて感じると共に、建物の良さを十分生かし、利用者の活発な活動を支えておられる運営手法にも感服した見学会でした。
最後に熱意溢れるお話と案内をいただいた館長さんに心より感謝申し上げます。