2010年11月9日火曜日

2010年ユニバーサルデザイン建築研究会事業報告(2010.10.9)

*2010年ユニバーサルデザイン建築研究会事業報告


 10月9日、23日の土曜日の午後2回にわたって、尼崎市立花の「たちばなNPOプラザ」の協力のもと、市民向けセミナーを開催しました。今回のセミナーは、建築士会内の研究会として事業の申請をして認可されたもので、士会から直接予算をいただいての事業となりました。研究会が予算申請して事業が行えることは、研究会の専門知識を生かせる機会が増え、今後活動の自由度が拡がるものと期待しています。
 セミナーの内容は、昨年度に引き続いて、ユニバーサルの視点から探る「住み続けることが可能な住宅」の基本(社団法人兵庫県建築士会女性委員会ユニバーサルデザイン研究会編集)の冊子を使っての連続セミナーです。各回のセミナーの内容は以下のとおりです。


 第1回  ユニバーサルデザインと住まい
       「安全な毎日を過ごすためのアプローチ・玄関・廊下・階段」
       「家族やライフスタイルの変化に対応できる個室・居間・食堂・台所」
 第2回  「時代や身体の変化に対応できる便所・洗面・浴室」
       改修事例の紹介
       住み続けるためのユニバーサルデザイン  


 新築やリフォームする際、将来の要求にも対応できるよう考えておかなければならないことは何かをテーマに、延べ30名の参加者と共に、ユニバーサルの視点での長く住み続けられるための基本事項や工夫を、住宅の改修事例を交えて確認しました。また、質疑応答により、改修にかかるおおよその金額や参加者の住まいに対する個別の問題などに対して、ユニバーサルデザイン建築研究会のメンバーが専門家としてアドバイスし今後の参考にしていただきました。



2010年7月12日月曜日

2010/6/12(土) ユニバーサルデザイン建築研究会 すまいるネット連携セミナー

*2010/6/12(土) ユニバーサルデザイン建築研究会 すまいるネット連携セミナー 
                   「スローフードから学ぶ地産地消の食と住」
 
  講 師 : 秋吉一郎氏(兵庫県立大学経済学部教授)
  参加者: 27名


 最近よく耳にする「スローフード」がイタリア発祥の世界的な運動であること、そしてそれが自国の食文化をグローバリズム(例えばマクドナルドのハンバーガ)から守るラジカルな運動である事が講義を通して理解できました。日本だとコマーシャリズム的一過性の流行のように感じる「スローフード」ですが、本場イタリアでは国際会議が開かれ、生産者保護も含めた食材の生産管理、食に関する専門家の養成教育機関まであるそうです。大げさに言えば食を楽しむことに命をかけるイタリア文化のあり方を学ぶことができました。

 同様に、住まいについてもこだわりがあるようです。食事が大きなウエイトを占める家庭生活を送るための結婚には、まずマイホームを用意せねばならず、それを手に入れることはやはりなかなか難しいとのこと。その為結婚が遅くなり出生率が低くなる現状というのは、日本とまた違った意味で大きな課題だと感じました。時間の関係上、この課題解決やイタリア人の住に対する意気込みまで踏み込んだ話をうかがえなかったのは心残りなことではありましたが、今まで知らなかったことの多いイタリアと日本の多岐に渡る日常的な文化の違いを知ることができたのが大きな収穫となりました。

すまいるネットセミナールーム

2010年3月25日木曜日

UD連続セミナーの報告 (2010.2.7~2010.3.7)

*UD連続セミナーの報告
 「建て替え知らずのマイホームづくり」─住み続けるための知恵と工夫─



 平成21年度末に、一般市民の方を対象に“神戸市すまいの安心支援センター”(すまいるネット)で3日間にわたるUD連続セミナーを開催しました。女性委員会UD研究会が作成した冊子“「住み続けることが可能な住宅」の基本”をテキストに、ユニバーサルデザインの視点での家づくりの基本を、研究会メンバーが講師となり住宅部位別に3回に分けてわかりやすく解説し、そのあと参加者と意見交換を行いました。



  第1回 2月 7日(日)「安全な毎日を過ごす」アプローチ・玄関・廊下・階段
  第2回 2月21日(日)「家族やライフスタイルの変化に対応する」個室・居間・食堂・台所
  第3回 3月 7日(日)「時代や身体の変化に対応する」便所・洗面・浴室




 
 参加人数は、第1回22名、第2回25名、第3回22名、延べ69名となりました。参加者は一般市民の方より、福祉住環境コーディネーター、建築士など専門職の方が多いという結果になりましたが、セミナー終了後のアンケートでは、参加の目的や理由は「ユニバーサルデザインに興味があるから」と答えた方が最も多く、関心の高さをうかがい知ることが出来ました。
 セミナーの感想では、「特に目新しい内容ではなかった」との意見もありましたが、「家づくりについての基本的な点を確認できたり、改めて考えるきっかけになった」との意見もあり、多くの方から良かったという感想をいただきました。また、冊子の内容をわかりやすく伝えるため、セミナーでは具体的な事例を多く紹介しましたが、「変わった住環境の事例も教えてほしかった」という意見も寄せられ、今後は標準的な事例に留まらず、特殊解となる事例も交えて多様な事例の紹介もあった方がいいのではと、反省会で話し合いました。
 この連続セミナーは、今年度も引き続き行っていく予定で、要請のあるところには、出前セミナーとして出向ける態勢を取っています。他支部でもご希望があれば出かけますので是非ご連絡ください。
 なお、テキストに用いた冊子は、UD研究会が平成18年から3年間取り組み、その集大成としてユニバーサルデザインの視点から住宅計画において留意すべき基本的要件をまとめたものです。関心がおありの方は無料でお渡しできますので、ユニバーサルデザイン建築研究会事務局までご連絡ください。

               事務局 ㈱遊空間工房内  E-mail:info@u-kukan.com